たびたび紹介してまいりました
Pt850印台リングのリメイクが完成となりました。
祖父様の形見の一本の指輪は
二本の指輪に分割され
依頼主であるお孫さんの結婚指輪へと生まれ変わりました。
仕上げの最後に、印台部分に唐草の彫りを施し
内側にはご入籍日を。
レディースの両脇にはメレダイヤを埋め込みました。
お二人の名前には偶然にも『光』という漢字が使われているので
その光をイメージした石留めです。
そして、二本の指輪を重ねると・・・・
お二人のイニシャルを唐草模様にデザインした
2つの『H』が浮かび上がります。
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実は、「結婚指輪にリメイクしたい。」との相談を受けた時に
デザインに制約が出来てしまうため、地金を下取りして新たにお作りする事をお勧めしました。
ですが、祖母さまから「お金に換える事だけはしないでほしい、と譲り受けたので・・・。」
と聞き、なんとかご希望に沿うようなデザインの素敵な指輪になるように考えないと!
と、使命を感じたのでした。
お預かりしたような20gもあるプラチナの指輪を溶かして・・・というのは、
容易な事ではありません。
シルバーの融点は961°C、ゴールドは1064°Cですが、
プラチナは1700°C以上もあるので、ジュエリーの溶接で使うような普通のガスバーナーでは
火力が足りず溶かす事ができないのです。
なので、今回のお題は
1)地金を下取りせず
2)溶かさず
3)1本の指輪から2本の指輪を切り出す方法で
4)お客様ご希望の唐草模様の透かし、または彫りを入れるデザインのリング
というものでした。
そして1本の指輪としても成立するように配慮してデザインを。
時間をたくさんかけてデザインや製作方法を悩み
お預かりしている大事な指輪なので慎重になって製作を進め
本日やっと納品となりました。
このたびは、結婚指輪へのリメイクにご指名いただきありがとうございました。
そして、ご結婚おめでとうございます!